この円安は日本経済にとって悪いことばかりではない
ドル円が144円になり、「日本はもう終わりだ」「大変なことになった」と大騒ぎになっている。
だけど、企業業績は円安の恩恵を受けて大儲けを出しています。
特にグローバルに海外で商売をしているような輸出関連企業たちはこの円安を「待ってました!」と喜んでいるはずです。
この円安は日本の企業部門にとって千載一遇のチャンスです!
そして彼らが潤うことは日本経済全体にとって必ずプラスになるはずです。
もちろん、株価も今よりもっと上がるでしょう。
ドル・ベースに見たら、今の日本株の株価は低すぎます。
マスコミは日経平均株価を「上がりすぎだ」「バブルだ」と煽っていますが、とんでもない!
バブルどころか、低すぎるのです。
それは、これまで長く続いてきた『円高』のせいです。
もちろん、円高の他にも要因はいくつもありますが、日本経済が今ひとつパッとせず、株価もアメリカに比べてはるかに低く推移していたのは円高が足をひっぱっていたことも大きかったと思います。
しかし、アベノミクスがはじまり、様相は一変しました。
アベノミクスは正しい経済政策でした。
マスコミは批判ばかりしていますが、日銀のやってきた異次元の量的緩和はカンペキに正しい選択でした。
そして、今。
その効果がやっと出はじめ、日本は長く続いた円高の暗黒時代をくぐりぬけて、待ちに待った円安の時代へ突入しました。
この円安によって、日本の企業業績はますます好業績になっています。
でも企業業績がよくなっただけでは日本経済全体は良くなりません。
内部留保をいくら増やしたとしてもカネが世の中に流れていかなければまったく意味がないのです。
だから今こそ日本企業は内部留保なんかせすに、ガンガン設備投資をしてほしい。
従業員の賃上げをしてほしい。
日本国内に生産拠点を次々につくってほしい。
それで日本経済はさらに潤い、日本国民はますます豊かになり、みんなカネを使うようになって景気は良くなります。
その結果、今のこのインフレ(しかもこれはインフレはインフレでも単なるコストプッシュ型のインフレです)の痛みなんか吹き飛んでしまうでしょう。
それができるのは円安のときだけです!
円高のとき、散々『円高不況』と言われていたことを今こそ思い出すときです。
あの頃、日本国内に工場や生産拠点をつくろうなんて発想は日本企業にはありませんでした。
だから、どんどん海外に工場や生産拠点を移していました。
その結果、日本国内は空洞化。
派遣社員はどんどんリストラされ、「年越し派遣村」なんてものもできて、社会問題化しました。
それらは『円高』がひとつの要因です。
マスコミは「円高=善」「円安=悪」と書き立てていますが、まったくの間違いです。